トップページ > 概要・目的
昨今,いじめによる自殺者が相次ぐなど,学校現場においてはいじめや不登校などへの対応が深刻な問題となっています。また,LDやADHDをはじめとする軽度の発達障害のある子どもや,学習に遅れのある子どもへの支援のあり方が,喫緊の課題となっています。そのため,子どもの心と学びの悩みや不安を受け止めることのできる相談体制の拡充が社会的ニーズとなっており,大学には,その豊富な人材を活かして子どもや保護者や教員に対して支援を行うことが求められています。さらに,教員を養成する大学は,心と学びに関する支援活動に加えて,心と学び支援の専門的実践力を備えた教員の養成や,教員の資質向上のための研修の機会提供も社会から求められています。
そこで本取組では,広島県教育委員会,広島市教育委員会,東広島市教育委員会と連携して,地域サービスとして様々な問題に苦戦している子どもたちに対して,その問題解決へ向けて支援や,教員の研修を行います。同時に,学校の中で心と学び支援活動の中心として活躍できる専門的実践力をもつ教員の養成,およびそのキーパーソンを支えることができるだけの心と学び支援活動の基礎的知識や技能(基礎的実践力)をもった教員養成のための教育内容や方法の開発にあたります(図1)。
そのため本取組では,図1に示されているように,附属教育実践総合センター内の「にこにこルーム」を核として,来室や支援員の派遣による心と学び支援活動を地域サービスとして展開しながら,その活動を実習として教育臨床に関する専門的実践力の育成を目指します。そしてこれと並行して,この教育内容・方法開発の成果を利用しながら,教職志望の一般学生を対象とする,支援を直接体験しないながらも,心と学び支援に関する基礎的実践力を身につけることができる教育内容・方法も開発し,教員養成に活かします。